starry rainy night
厚い雲に空が覆われる毎日。傘が手放せない日が続き、気温と湿度が相まって高くなるこの時期に気分が重くなる日もある。それでも別段雨が嫌いなわけでもないし、一緒に暮らすあの人もインドアな趣味を持っているので、困る事といえば洗濯物を外に干せない事と、買い物に出るのがほんの少しだけ億劫になる事ぐらいだ。
「よし!これくらいあれば足りるだろ」
キッチンで下味をつけた鶏のむね肉に調味料を加えて蒸し焼きにした後冷やしておいたものを細く割く。そこに下準備をした野菜をいれてバジルで洋風の味付けに軽く和えたものをまた冷蔵庫に入れて時計を確認する。
「あとは…って、もうこんな時間か。風呂にお湯張っとくか」
会社の付き合いで軽く夕食を食べてくると言ってきた同居人、もとい恋人が帰ってきた時の為に給湯器のスイッチを押す。自分は料理の準備を始める前に手早くシャワーで済ませているし、少し前に電車に乗ったとメッセージが来ていたから、電車に揺られて最寄り駅から歩くとなるとちょうどいい頃合いだろう。あとは彼が入浴している間に作ったものを温めれば完璧と、再びキッチンを確認して我ながら時間を有効活用できた満足していると、湯船にお湯が溜まったチャイムが鳴るのとほぼ同時に玄関の鍵が回る音がした。
「おかえりなさい」
玄関に向かいながらこちらに向く背に声をかける。雨の降り続く中から帰ってきたその人が、家の鍵を閉めてネクタイを緩めながら笑顔で振り返るのに釣られて顔が綻んだ。
「ただいま」
「ういー」
「あ!また髪乾かさないででてくる!」
「ドライヤーが俺に使われたくないって言ってた」
「はいはい、面倒だっただけっすね」
彼が入浴している間にリビングのローテーブルに今日の為に仕込んでおいた酒肴を並べていった。少し味付けの濃いものからさっぱりと食べられる軽いものまで、バイト先で学んだ料理や寮生活の際に教えてもらったレシピも含めて、自分がお酒を飲むようになるまで知らなかった味付けも、今となっては自分の料理のレパートリーにしっかりと組み込まれていた。
「わ~、今日も豪華!あ、それ俺好きなやつ」
「あ、こら!つまみ食いすんな」
「ん~うまっ。意外と腹減ってるな俺」
「食べてきたんじゃないんすか?」
「付き合い程度にね。でも帰ってから美味しいものが待ってるってわかってるし、早々に切り上げて帰ってきちゃった」
フェイスタオルを被りながら浴室の温かさを纏った至さんが、並べられた皿の中から帰ってくる直前に仕込んだ洋風の和え物に手を伸ばし、口の中へ放り込んだ。
(やっぱり作っておいてよかった)
初めて作った時に好評をもらってから、度々作るようにしていた一品を頬張る顔を見て内心嬉しく思いつつも、それなら早く所用を済ませてきてほしいという思いも重なって緩みそうになる表情を必死に抑える。
だって今日はここ最近で一番楽しみにしていた日なのだ。至さんも俺も仕事先で夕食を済ませる事はお互い事前に予定を確認して知っていたし、翌日運よく休みも重なっていた。だからこそ今日にしたんだ。
そのための準備はほぼ終わっていてあとは至さんがに髪を乾かしてきてもらえれば準備は万端。
「ほぉら。もう至さんが髪乾かしたら始められるんで、ちゃっちゃとやってきてください」
「綴乾かしてくんないの?」
「甘えんな。その間に俺は飲み物の準備するんで」
「恋人のお願いよりお酒をとるのね」
「あんたも飲むだろ」
わざとらしく眉根を寄せて悲劇のヒロインみたいに台詞を並べる姿を無言で見つめると、至さんはため息をつきながら浴室へと踵を返したので、既にこちらを見ていない後ろ姿に向かって、歳下の劇団員からきつく言われている日課を付け足した。
「はぁ…綴が冷たい」
「あ、あと最低限のスキンケアしてくださいよ!」
「はーい」
浴室からドライヤーの音が聞こえてくるのを確認しつつキッチンとリビングを行き来し、食器棚の普段あまり開ける事のない段から、同じ大きさの2つのグラスを取り出す。濡羽色と群青色のそれぞれガラスに星が散りばめられたようなカットで装飾されたペアグラスと、冷蔵庫で冷やしておいた酒瓶を持ってリビングのソファに腰をおろす。仕事の打ち合わせが終わって帰ってきてからなんだかんだでずっと動き回っていたので、やっと腰を落ち着けた事に深く息を吐く。
程なくして廊下をぱたぱたと音をたてながら近づいてきた気だるげな気配が隣に回り込んできて、そのままソファがもう一人の体重を受け止めながらキシッと声を上げた。
「今日の仕事大変だった?」
「打ち合わせだけだったんで全然」
「そう?疲れてるならまたにして今日は寝るんでもって思ったんだけど」
「それはいやっす」
「だよねぇ」
言葉の続きを遮るように、強めの意思表示をすると少し驚いたような表情を浮かべた後すぐ、悪戯っ子のするような表情で休息の提案をどこかへ放ってくれる。
「あ、そういえばこれ。今日のお酒なんすけど」
「お~これ結構いいやつだ。前、東さんにおすすめしてもらったことある」
「ほんとっすか?なんかこれ今日もらったんすけど名前に星って入ってるし、ぴったりなんじゃないかなって思ったんすけど、雪白さんお墨付きなら間違いないっすね!」
「いいじゃん。したら俺あれ持ってくるから綴注いどいて」
「了解っす」
寝室へ向かう至さんを尻目にキンと冷えた酒瓶を傾けて、それぞれのグラスに透明の少しとろみのついた液体を流し込むと、カットから取り込まれた光がキラキラと水中を反射する。星が舞っているように見えるその小さな世界を覗き込んでいると、遠ざかっていた足音が再び近づいてきた。
「お待たせ。電気消す?」
「はい、消しちゃって大丈夫です」
「あぃよ」
スイッチを切り替える音がした後、一瞬真っ暗になった部屋は至さんの手元の光源にぼんやりと照らされて、目が暗さに慣れないうちに至さんが隣に戻ってくる。
その足のままローテーブルの空いた場所にスタンドを設置して、左手に持っていた月を据え付けた。
「これ持つ度に世界の創造主になった気分になる」
「ははっ。雑貨屋でそれ見つけた時の至さんの目の光り方、俺の弟と一緒でしたもん」
「いや、これはアガるでしょ」
それとはセンサーで明滅する月の形をした球体のルームライトで、雑貨店で発見した至さんが両手でしっかりと抱えたまま、カゴを持っている俺の元に駆け足で持ってきてそのまま購入したものだ。その時の至さんの顔が、絶対に買うという意思が全面に出ていて、末弟がする表情に似ていたのを覚えている。
「もう始めます?」
「そうね…見ながら食べようかな」
「じゃぁ、点けますね」
料理と一緒に準備しておいたその装置を起動させると、ローテーブル周辺だけが照らされていた部屋の中に無数の光が散りばめられ、外の雨空が嘘みたいに部屋中が満点の星空になる。その星を映し出す自宅用のプラネタリウムは、同棲を始める時にそれとなく俺の言った事を覚えていた至さんが購入してくれたものだった。
通販で買ったこのプラネタリウムが届いた日、俺は仕事で外出していのだが帰宅するなり至さんに手を引かれて足を踏み入れリビングが、今みたいに一面の星空だった感動は今でも鮮明に思い出せるぐらい大きいものだった。
それからは度々不定期ではあるが二人で予定を擦り合わせ、翌日が休日の夜に少し良いお酒を飲みながら自宅で人工の星空を鑑賞するのが恒例になっていた。寝室ならもう少し綺麗に映し出されるであろうそれも、リビングに置いてある生活用品で少し歪な継ぎ接ぎのように見えるこの空間が存外気に入っていた。それにこうして他愛もない話をしながら酒と料理を楽しむ時間が、日常の中に存在する二人だけの『ちょっとした特別』みたいな気がして大好きだった。
乾杯を皮切りにお互い仕事の話だったり最近連絡を取り合った劇団員のことだったり、一緒に住んで毎日顔を合わせていても尽きることはない話が次から次へと続いていく中、あっという間に机上の料理は平らげられてしまったので、空いた皿は後でまとめて片付ける為にダイニングテーブルへ避けておく。それに合わせて空腹を満たすものからお酒を楽しむ為の物へ切り替えた肴を手にソファへ戻ると、至さんが2つの空いたグラスを満たしたところで、もう一度仕切り直しとでも言うように腰を下ろして改めてグラスのフチを軽くぶつけた。
「クーラーのきいた部屋でお酒飲みながら星が見れるって贅沢だなぁ」
「本物じゃないっすけどね」
「この辺で星見ようと思っても数えるぐらいしか見れないもんね」
「ましてやこの時期だと毎日雨ですし」
「梅雨だからねぇ。んー、やっぱこれ東さんオススメなだけあって美味しい」
「確かに。辛口だけど飲みやすくて好きです」
「綴って割とお酒強いよねぇ。ま、一緒に飲めるの楽しくていいんだけど」
「至さんも割とお酒強いっすもんね!兄貴がまた一緒に飲みたいから連れてこいって言ってました」
「マ?したらお言葉に甘えて今度遊びに行こうかな…弟くんたちにも会いたいし」
「ははっ、チビたち絶対喜びます。あとでいつ頃空いてるか聞いておきますね」
はじめは子供の扱いがわからないなんて言っていた至さんが、今では本当の兄弟のような距離感で接してくれる。弟たちもはじめこそ警戒心があったものの、すぐに兄が一人増えたと会いに行く度に跡をついて回っている。そんな光景を見るたびに心の底からこの人に出会えたことに幸せを感じずにはいられなかった。
実家での出来事に思いを馳せながらグラスを口に運ぶと左肩にゆっくりと頭をあずけられた。触れる心地の良い温かさに頬を寄せると、程よくアルコールのまわった身体はとっても小さな微睡みを連れてきて、時折肌を撫でる風が火照りを治めていく中、間近にある洗い立ての金糸のような髪の香りが鼻腔をくすぐっていく。同じシャンプーを使っているはずなのに違う香りに感じるのは何故なのか…。幾度も繰り返すこの疑問に答えなんて見つかりはしないけど、つい思考を巡らせては途中でその疑問を放り出してしまう。結局は好きな香りなんだからなんだっていいのだ、と。
「~~♪」
どちらともなく言葉を続けるのを止めて、静寂の流れる部屋の中で雨が窓を打つ音を聞きながら天井に創られた星空を眺めていると、発音のよい英字の羅列が聞き覚えのあるメロディに乗せられて耳を撫でられる。心の奥まで溶けるように馴染んでいくそれに耳を傾けてそっと瞼を下ろした。
「…綴、眠い?」
「起きてますよ」
「なんだ。あんまり静かだから至さんの美声が子守歌になっちゃったかと思った」
「今ので台無しっすね、それにまだ眠くないっす」
「素直じゃないんだから」
ごく至近距離で斜め下から見上げてくるその表情が可愛いと思いつつ、その声に聞き惚れていたことをそのまま言い当てられてほぼ脊髄反射で悪態をついてしまうが、それもいつもの事だとでも言うようにニヤついた笑顔で流される。こういう点ではこの人に一生敵う事はないだろうな、と思った自分が居た堪れなくなってくるので露骨に話題を逸らした。
「星に願いをって日本詞はよく聞きますけど英語詞ってあんまり聞く機会ないっすね」
「確かにテレビとかでやってる時も日本詞だし」
「至さんは英語詞の方が良く聴きます?」
「そうでもないけど、歌詞の意味が英語詞の方が好きなんだよね」
「歌詞の意味そんな違うんすか?」
多少の意訳が存在することは知っているけれど、そんなに大きく逸れたイメージはなかったので思ったままの疑問を口にした。
「そんなには違わないんだけど、日本詞だと『星に祈れば寂しい日々を照らしてくれるでしょう』って星が自分の事を見てくれていつつも、願いも祈ればいつか叶うっていう歌詞で…少し曖昧で綺麗な言葉が並べられてる気がしちゃうんだよね。なんていうかきっとこうなる、あなたの感じ方で世界が変わって見えてくるかもしれないって、祈ってる割に自分次第だぞって気持ちの問題ありきな感じ。まぁ、語感も重要視してるんだろうけど」
「…日本語って同じ意味でも色々な言葉がありますもんね」
「そそ、なんか日本人の謙虚そうなイメージがそのまま歌詞になったなぁって思う」
「確かに…」
お互いに寄り掛かったまま至さんは手元を、俺は天井を見上げて言葉を選び、思っている事が全く同じでないにしろ、意味の解釈は近いのだろうと続きに耳を傾ける。
「それが原曲だと『運命は優しく人々に愛をもたらす』っていう歌詞があって、運命と人が決まって結びついてるものじゃないけど、それが誰にとってもきっとプラスに働くものだよっていう安心感がある。星に願った夢はすべて叶えられるって言い切ってるところも、いつ叶うかはわからないけど願ってる人からしたらこっちの方が希望が持てると思うし、自分の気持ち含めて包み込んでくれる気がする」
「なるほど」
「ま、捉え方によって全然変わってくるんだろうけど」
「同じ歌でニュアンスもにてるのに全然違いますね…」
「星っていうもの自体も色々あるし、人それぞれだよ。これも俺の主観での話だし」
「でも、そんなそれぞれある中でも俺は至さんが原曲の方が好きな理由、好きだなって思いました」
寄りかかっていた至さんが徐々に体制を崩してちょうど膝枕をしている状態になるまで、俺の言葉を待つようにこちらを見上げてくる。格好よくというより可愛く見えてしまうのは恋人の贔屓目なのだろうか…と、頭の隅で考えながらもローテーブルに置いてあった月のライトを持ち上げ、そのまま寝そべった至さんに持たせた。
「そういえば、誕生日にも割り振られた星があるって知ってます?」
「366日分あんの?」
「そうっす。この前ちょっと気になって調べたんすよ」
急に話題が切り替わったのを不思議に思っているのか、誕生星の事を考えているのか、露骨に表情にでているのが面白いけれど、そのまま話を続けることにする。
「俺の誕生星がカシオペアθ星っていうカシオペア座に入ってない4.3等星の恒星だそうです」
「待って、情報量が多い…」
「ふふっ。まぁ、星座には入れてないけどその系統にある星ってことですね」
「ふーん」
「そんで、4.3等星なんでめっちゃ明るい星って訳でもないです」
「あ、そうなの?」
「ちなみに星言葉っていうのもあってカシオペアθ星は『自力で切り抜ける頑張り』なんですって」
「わぁ、めっちゃ綴っぽい」
「そうっすか?俺的にはそうなれたらいいなっていうぐらいの理想みたいな感じなんですけど…」
「あはは、その感想も綴っぽい。でもお前は切り抜けられるだけの頑張りをしてるし力もあるよ」
両手の間で月を転がしながらからからと笑う顔が可愛いと思っていたら、急に切り替わる柔らかい笑顔と真面目なトーンで嬉しい言葉をくれる。こういう着飾らないで真っ直ぐ言葉を届けてくれる至さんが一番好きだと言ったら、きっとまた揶揄われるんだろうけど。
「で、俺のは?」
「至さんはおひつじ座α星っていうおひつじ座の中で一番明るい2等星の恒星でした。別名はハマル。」
「俺の星に名前付いてんの?すげぇ!」
「アラビア語で羊って意味らしいっす。いかにもおひつじ座の星ですよね。そんで星言葉は『人望の厚さ,金銭の財産』の2つ」
「ぅっわ、どっちも似合わねぇ」
「え、めちゃくちゃ至さんらしいって思いますけどね」
今度は気が萎えたような表情で月を軽く叩いていて、感情がころころと変わる様は見ていて飽きないなと思った。こういうところは少し歳下っぽく見えてしまって違う可愛さをみつけて愛おしさがこみ上げてくる。
「いくら外面がいいって言っても基になる人が良いから色んな人に頼られるんだと思うし、金銭はまぁ、エリート様っすもんね」
「前半ちょっと嬉しかったのに後半にトゲがある。至さん泣いちゃう」
「そういうとこっすよ」
わざとらしく顔を両手で覆うそのお腹の上に放置された月を叩くと、手で覆った中からぐぇっと何かが潰れたような声が聞こえた。
「因みに恒星って肉眼で見えるのは1~6等星で数字が大きい方がより明るく見えるそうっす。だから俺の星より至さんの星の方が見えやすいって事っすね。そんで、地球から見える星は約8600個。昼夜があるから半分の4300個が一気に見れるけど地平線で霞んじゃうのもあるんで、めちゃくちゃ星の見やすい草原とかでも多くて3000個ぐらいしか見れないんだそうです」
「一晩で3000個…絶対数えらんないわ」
「実際はその300倍の星があるみたいっすけどさすがに光っててくれないとわかんないっすね」
「よく星の数ほどって言うけど、この言葉考えた人天才じゃん」
中性的な顔立ちも相まって口元を手で覆うあざとい行動も様になる。顔が好きだからという訳ではないが、顔だって好きな人も一部なのだから好きで当たり前なのだけど少し悔しい気持ちになりつつ、この人のこんな一面をこんな間近で見れる特権が自分にしかないと思うとそれもまた悪くない。
「そうっすよ。その星の数ほど人間のいる中で、生活する場所も趣味も好みも、育ってきた環境も何もかもが違って、誕生日の星だって隣に位置してる訳じゃない。なのに、今こうして同じ時間を過ごしてる。お互いを知らなかった可能性の方が高かったのに出逢えたんすよ、俺らは」
目にかかる前髪をかき上げて、人差し指にくるくると絡めて遊びながら、物語を聴かせるようにゆっくりと言葉をつなげていく。ふと視線を感じてゆっくり見下ろすと、手遊びを間近に観察していた瞳がいつの間にかこちらを見据えていた。そこに天井の星が降り注いだみたいに写り込んでいて、瞬きをする度に揺らめく二つの星空に見惚れていると、髪を纏わせていた指を掬い取られて、あっけにとられているうちに軽いリップ音と共に指先にキスを落とされる。
「ちょ、至さんッ!」
「ふふふっ。綴、俺たちの出逢いは運命だよ」
「え?」
「だって星に願った夢は全部叶うんだよ?それに運命は優しく人々に愛をもたらしてくれるって言ってたじゃん」
「…至さんは、星にお願いしたんですか?」
俺に遊ばれて散らかった前髪を気にする様子もなく、ゆっくりと上体を起こして、こちらに向き直った至さんの笑顔は綺麗なのにどこか悪戯っぽさが滲んでいて、ついっと吊り上がった形の良い口に添えられた指先に心臓が跳ね上がる音がする。
「内緒」
床に転がり落ちた月が揺れているのを放って、俺たちはゆっくりと指を絡めながら柔らかなキスをした。
fin.
この度は素敵な企画に参加させていただきありがとうございます。
推しカプの同棲だなんてこんなに夢の詰まったアンソロジー、是非寄稿させていただきたい!
と、以前からやんわりイメージだけだったお話をもう一回煮詰め直して書かせていただきました。
とても個人的なお話になるのですが、星が好きでどうにかこうにか結びつけたかったっていう…私欲に染められた二人のお話ではありますが、前日談であるカウントダウンのSSも含めて、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、さまさんも素敵な企画をありがとうございました!微力ながらお手伝いさせて頂けた事とっても嬉しく思います。
Webアンソロだなんて古のオタク心くすぐられまくりました(笑)
イベントの開催が危ぶまれる日々が続きますが、少しでも皆さんのStayHomeのお供になれば幸いです。
ありがとうございました!
チリ紙